もし世界が終わったときのために車を世紀末仕様にDIYしておく #5最終回

もし仮に、万が一宇宙人が侵略してきたらどうしよう。

核ミサイルが落ちてくるかもしれないし、ゾンビで溢れかえるかもしれない。万一の時に備えて、自分のクルマをシェルターにしておこう。

そんな妄想シミュレーションを通して、DIY初心者があなたにクルマDIYの奥深さをご紹介します。

このシリーズは今回で最終回となります。

#1で荒廃した市街地を駆け巡る機動力を高め。

#2でベースキャンプ代わりのベッドを設置し。

#3では健やかな心身を養う快適な空間づくりに邁進。

#4にて万一のハードシェル破壊・欠損にも対応できる養生法を覚えつつ。

などと、ハードなテーマで綴ってきましたが、つまりは「愛車をいかに自分好みに仕立てるか」ということについて、面白おかしくお伝えできればという思いで始めたのがこちらのコラムでした。

「おうち時間」ばかりが増えてフラストレーションが溜まる一方。だからこそ、自由を求めて自動二輪免許の取得やバイク購入、ユーザー車検のチャレンジや愛車の整備に乗り出す、いわばニューノーマルDIY派が増えているわけです。

もちろん、ご自宅で愛車を改造し、それで終わるわけではありません。社会情勢が落ち着いて、その愛車と共に走り回るための改造。

車・バイク乗りにとって外出禁止令は、いわば荒廃した世紀末(北斗の拳の世界)に近しい生きがいを奪われた時代とも言えるのではないでしょうか。

そう遠くない未来、“自由への疾走”をするために、もう少しの間、愛車を自分好みにすべくカスタマイズを楽しんでいただけたらと思っています。

また、昨今、クルマ好き・バイク好き有名人が運営するYouTubeチャンネルでは、“秘密基地”が出てきます。所ジョージさんの世田谷ベースやヒロミさんご自宅のように、自分の理想とするガレージを持つという憧れは、いつまでも追い求めたいところです。

塗装ブースや工作機械などを設置するのはハードルが高いとは思います。そこで注目したいのが「DIYでのガレージング」。それでも、まだハードルが高いと感じかもしれませんが、予算と環境に合わせ、創意工夫で作ることもできるのです。 

100人載っても大丈夫かも知れない物置から、テント生地と組み立て式パイプでできたサイクルポート、はたまたご自宅の建て増しなどなど、考え方や捉え方に違いこそあれど倉庫=収納があれば何かと便利に違いありません。

青空駐車場に簡易倉庫を置かせてもらうべく交渉したり、予算や条件さえ満たすならばシャッター付貸しガレージを探してみるのも良いでしょう。

いきなり理想のガレージを手に入れられないとしても、先ずは今ご自身で整えられる環境から作ってみることをおすすめします。そうしておくことで、仕事を引退する時、子育てが終わられた時、本腰を入れてガレージ作りをする際の経験が活かされてくるはずです。

私の身近にも「おうち時間」を活用して、単管パイプとビニールシートでカーポートを自作してしまったツワモノもいます。エヒメマシンの本社社屋の内装の一部も、社員が慣れない手つきで作り上げました。始めてみるまでハードルが高いと感じるDIYでのガレージングも、やってみると初心者でも楽しみながら進められます。

要らなくなったつっぱり棒や古い遮光カーテンで駐車場の入り口を覆えば、道に面する開口部を覆えますし、使わないカメラ用三脚、カビたスノコ、拾った木の枝、ゴザ、ラグ、キッチンマットなどなど、おうちにあるもの何でも使えます。それら寄せ合わせの材料をペイントしてしまえば、統一感が生まれるだけでなくオシャレな雰囲気もアピールできますね。要は考え方、アイデア次第!!

ただ、世紀末シリーズのコラム全般にいえることですが、最も大切なのは「設計図」づくり 実現可能な無理無駄のない「設計図」こそが、スマートかつ快適な暮らしを可能としてくれます。

車庫を眺めつつ自宅の間取りと照らし合わせてアレコレと、必要ならばメジャー片手に寸法をソコカシコ。ほんの少しの時間と手間をかけるだけで、具体的なイメージが湧いてくるはずです。

“世紀末”DIYは「機能・宿泊・快適・塗装」、この4項目を装備するための「設計図」で成り立ちます。 あとはマッドマックスよろしく、自分好みの“武装”を極めていくだけ。仕上がるまでの時間やその段階で身につけた知識や経験は、たとえ宇宙人がいきなり侵攻してきたとしても必ず役立ちましょう。

あとは大蔵省(奥様)との交渉。
交渉が無事成立し、みなさまの愛車カスタムライフがより充実することを、心より願っております!

荒野を走る車

 

世紀末シリーズはひとまず今回をもってお終い。次回からは「世紀末覇者シン エヒメマシン育成計画」を発動させます。乞うご期待!!(すみません、これは嘘です!)

 

世紀末シリーズ