ヒラヤマの奥深く。分厚い氷の中に閉じ込められていた地球の先住民族であるデーモン族が復活し、その長たる魔王ゼノンの命名を受けて人間を滅ぼすために登山中の不動明のカラダを乗っ取った悪魔、デビルマン。
特撮脚本家であるかの辻真先大先生がTVアニメ版のオリジナルストーリーを構成した、TVアニメ動画不朽の名作ですね。
放送されていた1970年代作品は、特撮モノにしろアニメにしろ、当時の世相が色濃く反映されいました。インドの山奥で修行を積んだレインボーマン、ヒーローを続けるために家計は火の車だった鋼鉄ジーグ。放射能によって誕生したというゴジラの初期設定や、ウルトラマンセブンで欠番扱いになった第12話(大人の事情により理由は割愛)など。
公害や汚染に対する怒りと復讐がテーマとなり、そこに制作サイドのメッセージが込められていたのです。
つまるところ、何を言いたいのか。今回は、デビルカッターとアイ・スラッガーについてのお話です。前置きで、社会風刺について少しカッコつけてみましたが失敗しました。とにかく、デビルカッターとアイ・スラッガーの話がしたいのです(アイスラッガーはアイス・ラッガーではなく、アイ・スラッガーが正しいことをご存知でしたか?)。
必殺技といえば大剣かビームと相場が決まっていた時代、デビルカッターは臍の下(ベルトのバックル)から繋ぎ技程度でピョコピョコ出てくるし、アイ・スラッガーはチャームポイントのツノをポキっと折って投げつける異端さ。
アイ・スラッガー投てき後のセブンの頭を見て「ハゲとるやん!!」と、全国の子どもたちが一斉につっこんでいたことでしょう。
この二人には、デビルアローとエメリウム光線という極め技もありました。私にも「そっちのほうがかっこいいんじゃないか?」と思っていた若かりし頃があります。
しかし、これらにはカタルシスが足りないのです。どちらも額からビームを発する技ですが、なんか普通。「そりゃヒーローなんだから、額からビームをだすよな」感に溢れています。今の時代風に言うなれば、多様性の欠如、没個性。
私はどうやら、ヘソの下から申し訳無さそうにピョコピョコ出てきたり、投げた後の間の抜けたハゲ頭を晒してでも平和を守る姿に魅力を感じていたのかもしれません。自己犠牲を惜しまず、愛と平和のために身を粉にして戦う姿、それは親父の姿とも重なります。
大きな背中で家族をひっぱる、完璧でかっこよかった昭和親父。いわば一番身近にいたヒーロー。その親父が録画していた、「NHK特集」と書かれたVHSテープを無断で再生し、深夜のムフフな番組が流れてきたときのあの感覚。頼りになるし、かっこいいけれど、隠し通せない子ども心と哀愁が漂う存在。それが、私にとっての、ヒーローなのです。
あのころから何年経ったことでしょう、先日、私は取材でロブスターさんの鳥取工場にお邪魔させていただきました。展示場に並ぶ、これまでの歴史と製品の数々。また、モンキレンチや電装圧着工具の製造工程や、電動工具の修理工程まで見学させていただき、私の中に残っている子ども心が大いにくすぐられました。
その中にはもちろん、ロブスターさんの主力製品のひとつもであるダイヤモンド工具もございました。
私が子どもに戻ったとすれば、ロブスターさんの製品名である「ダイヤモンドカッター」や「ダイヤモンドホイールレーザー」「ダイヤモンドブレード」を、公園の滑り台に登って叫ぶことでしょう。
そして、ALC、鋳鉄管、コンクリ向け、瓦にタイル、路面切断用などなど、幅広い用途別にラインアップ。妖怪や怪人用はありませんが、さすが老舗の切れ味と信頼が製品に込められています。
「切断王におれはなる!!!」そんな工具系ヒーロー派が誕生すれば、この国の未来は明るいものになるかもしれません。エヒメマシンでは、そんなエビ印の工具たちが絶賛ピチピチ販売中です!※取材にお伺いした(至って真面目な)記事は後日、公開予定です