「あの現場ではどの工具を使っているのだろう」「その工具を使っている理由はなんだろう」そういった疑問を日々抱えつつも、対面販売を行っていないEC専門の当店。今回は、EXE Factory(エグゼ・ファクトリー)様に取材を受けていただき、現場の声を聞いてきました。
EXE Factory(エグゼ・ファクトリー)のご紹介
モノづくりの街・東大阪市に拠点を構えるEXE Factory。メルセデス・ベンツを中心にルックスと性能を野生的に磨く一大チューナー。ブラバスのパーツ総代理店として深いパートナーシップを結ぶエクゼの整備部門であり、ブラバス本社より正式なワークショップという認定と、モディフィケーションにおける高品質基準をもつ認定を受けている、チューナー直結の整備工場です。
いわば、近畿エリアにおけるベンツ好きの聖地ですね。そんな同ファクトリーの歴史は古く、自動車整備全般に深い知見をもっておられます。
そして気になるのが、作業を行う際に手に取られる工具。長らく辣腕を振るう菅波様にお話を聞いてみました。
EXE Factoryが使われていた工具はドイツブランドでした。
ドイツ・ブラバス本社からの信頼も厚い菅波様。抜群の知識と技術をもつスペシャリストです。
ブラバス製品を用いたチューニング、メンテナンスを手掛けるだけでなく、乗り物全般に精通している菅波様。そんな辣腕メカが「クルマやバイクで未だに遊ばせてもらっている」と下町にある自動車屋さんのオッチャン然とした雰囲気(失礼!)でニコヤカに話す様子にほっこり。
メカニックは一番最初に自ら購入したブランド工具で揃えるのがごく普通とのことですが、EXE Factoryに在籍するメカニックのみなさんは、最終的に不思議とクニペックス、ハゼット、スタビレーに落ち着くのだとか。
ドイツ生まれの一点集中ブランド「プライヤーのスペシャリスト」クニペックス。
同じくドイツ生まれ「大手ドイツ自動車メーカー御用達」ハゼット。
これもまたドイツ生まれの総合工具メーカー「正統バウハウス流質実剛健」スタビレー。
どのブランドも素晴らしい見栄えだけではなく実用性もあってこそ。ドイツという国土が併せ持つ、最良の鉄と最高の鍛造技術が生み出す製品。精緻で繊細な使い勝手は、世界中の工具ブランドがお手本にするところです。
菅波様いわく「工具選びはメカの楽しみのひとつではあるけれど、役に立ってこそナンボ。ツールが硬すぎるとボルトやナットは舐めますし、高価な部品が壊れます。いたずらに装飾性を求めても、手から滑り落ちやすく重たくなりがち。プライヤーなどの握りモノはクニペックス、力が必要な作業にはハゼット、微妙な作業が続くならば適度なしなりをもつスタビレーですね。事実、ブラバス本社ではスタビレー製工具が使われています」とのこと。
<ドイツ製品の背景にあるものとは......>
バウハウスとは、第一次世界大戦後にドイツのヴァイマルに存在した「工芸・写真・デザインなどを含む、美術と建築に関する」総合的な学校です。設立から閉鎖までわずか14年間という短い期間でしたが、合理主義と機能主義を重視した教育方針によって、大量生産を前提とした工業化社会と芸術のあり方などが確立されました。その思想は色褪せることなく、今なお高い影響を与え続けています。日本生まれの工具には日本ならではの、アメリカ生まれの工具にはアメリカならではの、ドイツ生まれの工具にはドイツならではの、国柄・気質が反映されているのですね。
取材協力『EXE Factory』
住所:大阪府東大阪市渋川町 4-2-41
電話:06-6727-9155
時間:8:30〜18:00
定休:日祝日
※2022年4月6日時点