意外と奥が深い「手袋」の基本

こんにちは、タマダです。今回の主題は「手袋」。日曜大工における手袋の代表格といえば軍手ですが、軍手ひとつとっても実にさまざまな種類があり、綿や化繊、リサイクル綿糸品、ゴム、革といった素材の違い、滑り止め付きにロングタイプ、精密仕様などの機能性と用途別に特化した製品が続々と誕生しています。最近ではスマホのタッチパネルに対応した軍手すらあるのですね!

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そもそも軍手とは「軍用手袋」の略であり、幕末期における近代武装訓練の時に、高価な鉄砲を素手で触って錆びないよう手袋をさせたことが始まりと広言されています。また、初期の旧日本軍では官給手袋(=手套)として支給されており、防錆対策や各種作業用というよりは防寒具だったようです。

ちなみに軍手。基本は作業中の怪我を防ぐために着用することが望まれますが、ドリル等回転部分のある道具で作業を行う場合には、布地が回転部分に巻き込まれる危険があり、労働安全衛生規則のなかに「事業者は、ボール盤、面取り盤等の回転する刃物に作業中の労働者の手が巻き込まれるおそれのあるときは、当該労働者に手袋を使用させてはならない」と定められています。要するには、れっきとした「ハンドツール」なのです。

手袋の種類

そこで工作に用いる道具という観点から軍手を調べてみました。すると、驚くほど用途別に設定されていました。軍手、滑り止め手袋、滑り止め背抜き手袋、スムス(縫製)手袋、インナー手袋、静電気防止手袋、ビニール手袋、天然ゴム手袋、ニトリルゴム手袋、腕カバー付き手袋、耐薬・耐溶剤手袋、使い捨て手袋、クリーンルーム用手袋、革手袋、合成皮革手袋、防振手袋、耐切創手袋、耐熱・耐寒手袋、絶縁手袋、エトセトラエトセトラ。正直、書き切れませんので割愛しますが、まあ多いこと多いこと。指サックも広義的には手袋、といえるでしょうね。

軍手

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手袋、と聞いて真っ先に思い浮かぶのは軍手ではないでしょうか。ホームセンターはもちろんコンビニやスーパーマーケットでもごく普通に売られている日用雑貨であり、なかには通販サイトでオトナ買いしている向きも多いハズ。安いという理由で手軽に使えるだけでなく、その分汚れても躊躇なく捨てることもできます。DIYはもちろん清掃や園芸など、ご家庭内で幅広く活用できる軽作業向けアイテムといえるでしょう。

反面、網目が荒いので木材のトゲトゲや金属のバリが指に刺さってしまうことも。また、電動ドリルなどの回転系工具を使用する際に、軍手をハメたままにすると回転部に軍手が巻き込まれて思わぬ大怪我に繋がる恐れもあります。基本的には素手で作業を行うよりも多少は安全かも、程度の気持ちで用いるのがベターですね。


背抜き手袋

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軍手の手のひらに、ゴムを付けたような構造。コスパこそが最大の魅力である軍手に比べると多少値は張りますが、ややハードボイルドなDIY作業にも耐えることができそうです。

滑り止めのゴム仕上げなので、モノをしっかりと握ることができ、対象が重量物であってもやや安心。なにより、甲部分が布となる製品が多く、ゴム手袋にありがちな不快なムレを感じることも少ないです。水性ペンキでの塗り込み作業や木材加工時などに効果的ですね。ただ、ゴム✕布仕上げだけに尖ったモノを引っ掛けた際にはビリっと簡単に裂けてしまいます。ゴムが使われているとはいえ防水性は期待できず、油分が付着してしまうとツルッと滑る危険も。とはいえ、軍手より確実に良い仕事をしてくれます。

ゴム手袋

トワロン 天然ゴム手袋 ニュートワロンロング[トワロン 天然ゴム手袋 ニュートワロンロング]

天然・合成、薄手・厚手とありますが、すべて完全防水ゆえに水分・油分はもちろん埃や土の付着も気にならず。中面に裏起毛加工が施された製品もあり、肌触りが良くベタつきにくい工夫がプラスされています。手が汚れやすい作業に向いているので、家事に園芸に、これまた活躍が期待できます。だがしかし。ゴムですのでやはりそれなりのニオイが。ゴム臭が苦手な方、ゴムアレルギーをお持ちの方はくれぐれもご注意を。

また、手がムレムレになることと、何かに引っ掛けた際の破れは、素材がゴムである以上は致し方ないところ。とはいえ、ニッポンの台所仕事といえば昭和の昔からゴム手袋。便利なことに違いはありません。

タマダ的にはニトリルゴム手袋がオススメ。指先感覚が鈍ることがなく細かい作業を行う際にぴったりなのです。冬場ならば軍手をハメる前に一枚、このニトリルゴム手袋をつけたりしますね。

ビニール手袋

TRUSCO 耐油ビニール手袋 [TRUSCO 耐油ビニール手袋 ]

塩化ビニール等の樹脂からできている手袋。作業者の手の保護、または感染の防止などの目的で使用されていて、防水・防油性に優れているのが特徴です。薄手のアイテムは飲食店や調理現場、医療現場で、厚手のアイテムは鋼鉄業や機械工業、水産・水産加工業などの各現場、また土木作業あるいは農作業などで重宝します。浸水・浸油防止性に優れた袖口ジャージ加工が施された製品もあり、たかがビニール手袋と侮ることはできません。とはいえ、機能性に優れたアイテムはとかく分厚くなりがちなのも事実で、厚みが増した分だけ指先感覚の鈍化は免れません。

革手袋

[富士手袋 豚本革手袋 トンクレグリップ]

DIYはもちろん流行りのキャンプでも使えるのが皮手袋。いかにもハードワークできそうな雰囲気がありますね。火花や熱を放つ金属加工作業時や薪や炭に火をつける際に、手をしっかりと保護してくれそうです。また、ドリルやグラインダーといった危険をともなう工具を使用する時に装着することでキズを恐れることなく安心して作業に取り組むことができるでしょう。

ただ、革手袋にもデメリットはあり、水に濡れてしまうと縮んで硬くなってしまったり、長時間保管によるカビの発生、それにともなって手荒れが起きてしまったり。硬くなると熱が伝わりやすくなり、いつもの感覚で装着するとうっかり火傷、怪我に繋がりかねません。ただ、見た目はやっぱり一番カッコ良いですね、映えます。

まとめ

世の中には、本当にさまざまな手袋があるんですね。用途に合わせて使い分けするようにすると断然作業がはかどります。軽作業なら軍手を使ったり、木材を使うなら背抜き手袋(滑り止め付手袋)、手の汚れる作業をする場合はゴム手袋、ハードな作業をする際は革手袋、といった感じでしょうか。せっかくの楽しいDIY時間を無理せず怪我なく存分に。手袋は大切なハンドツールのひとつです。

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