ご無沙汰しております、タマダでございます。
意外と奥が深いシリーズ第8回は「ペンチ・プライヤー・ニッパー」を取り上げさせていただきます。
“何故ひとまとめに括るのか!?”という声も聞こえてきそうですが、レンチやドライバーに比べると「掴む」「切る」ような動作において、一般的にはその違いがわからない人も多いのでは、と思うからです。
もちろん、ハンドツールを日常的に使いこなす方々には一笑に付されるだろう浅い見解ではありますが、基本に立ち返る意味でもここはぜひお付き合いくだされば幸いです。
ペンチ・ニッパー・プライヤーを再考する。
大別すると、ペンチは「掴む・曲げる」、ニッパーは「切る」、プライヤーは「掴む・ひねる」役割を持ちます。
この3種類のハンドツールをまとめて「握りモノ」と総称するそうで、会話にさり気なく用いるだけで“ツウ”な雰囲気が醸し出せます(笑)
ペンチの基本
ペンチは針金や銅線といった線材を刃先で挟んで曲げたり、刃の根元で切ったりする工具。
「くわえ部」と呼ばれる先端部分の内側はギザギザ(アゴ)であり、噛み込むことで細い線材でもしっかりと挟むことができるわけです。
そんなペンチ自体にも種類があり、誰もがイメージする標準ペンチ、より細かい作業に向いているラジオペンチ、加圧することでモノとモノを接合する圧着ペンチ(電工ペンチ)、細やかな作業に向いておりアクセサリー作りなどにも重宝する丸ペンチが広く知られています。
さらに、「くわえ部」に角度を設けて使い勝手を向上させたり、ギザギザの刻み方に工夫を凝らすことでなめたネジでも一発で回すことが出来たり、今なお画期的なペンチが発明・販売されているのです。
ニッパーの基本
「切る」、つまり切断加工に特化したハンドツールがニッパー。
電線や金属線、配線などを切断する際に使用されることが多く、ハサミの要領で操作するのでハンドツール初心者にも取っつきやすいかと思います。反面、金属線まで切れるほど鋭い刃はケガしやすいので注意が必要です。
配線の被膜を切り取るために刃先に異なるサイズ径の穴がある皮むきニッパー、頑丈かつ硬い金属線を切断する強力ニッパー(ワイヤー切りニッパーやピアノ線用ニッパーとも)、エレクトロニクス分野で活躍する精密ニッパーなどなど、これまた種類は豊富。
プライヤーの基本
最後にプライヤーですが、こちらはペンチ同様にモノを掴むためのハンドツールです。
ただし、プライヤーは支点に設けられたスライド機構によって幅広いサイズのパイプやナットに対応できるだけでなく、大きなモノを掴む力をもつのが最大のポイントでしょう。
ちなみに、このスライド機構付プライヤーはコンビネーションプライヤーと呼ばれており、このハンドツールの名を聞いてぱっと思い浮かべるだろう基本形。その他にもより細やかな口径に対応できるウォーターポンププライヤー、カッティングプライヤー(電工ペンチとも)、ネジ外しなど多機能性をうたったプライヤーも幅広く流通しています。
握りモノを愛でる
ペンチ・ニッパー・プライヤー、いわゆる「握りモノ」は構造がシンプルな分だけ使い道も幅広く、グリップにゴム素材が巻かれたツールやテコの原理を応用したロングノーズ仕様とバリエーションも豊か。欧州の老舗工具ブランドで、グリップの原料にバニラエッセンスを混ぜ込んだ“薫るハンドツール”も発売されているようです。
使い勝手の良いハンドツールを、とことん使い倒し、とことん愛情を傾けたい。そんな機械工具好きにオススメしたい製品が数点ありますので、ご紹介します!!
□ ペンチ
▼KTC ペンチ(コーティンググリップ)SPD-175C【商品ページ】
▼KTC ラジオペンチ(スタンダードタイプ) PSL-150【商品ページ】
スタンダードタイプのKTCラジオペンチです。デザイン性抜群のグリップは、しっかりした力を加えても手が痛くなりにくく、指をかけやすい形状で、広げるのもラクラク行えます!
▼LOBTEX ペンチ(圧着機能付) J200PC【商品ページ】
切れ味、耐久性に優れたプロ仕様のペンチです。つかむ、曲げる、切るのあらゆる作業に最適です。電気工事、建設土木、機械の組立・修理作業にもご使用いただけます。
▼LOBTEX ラジオペンチ J100R【商品ページ】
精密機器等の組立、修理、分解作業に最適です。先端部の耐久性が高く、刃部の切断能力が抜群。滑りにくく、握りやすい発泡ディッピンググリップを採用しています。精密作業からホビークラフトにも適しています。
▼TONE マスターグリップペンチ CT-175G【商品ページ】
メカニックエンジニアの声を凝縮し機能性を追求した「MASTER GRIP」シリーズ!銅線や針金を切る・曲げる・挟む・引っ張る・ねじるなど多くの作業が可能です。電気関係や針金細工、または板金細工などに使用する大変便利な工具。刃は強力で銅線はもちろん、太い鉄線も切ることができます。
▼KNIPEX 強力型ペンチ (SB) 0201-225 【商品ページ】
過酷な使用に最適。てこの原理を最大限に発揮する独特のレバーデザインにより、通常タイプより35%負担を軽減しています。サイドカッターでは軟線・硬線・ピアノ線を切断することができます。切断、掴み、曲げ、引っぱり作業に適しており、長めのサイドカッターにより太いケーブルの切断も可能。平材および丸材のグリップゾーンがあり、様々な用途にも使えます。
□ ニッパー
▼KTC ニッパー PN-150 【商品ページ】
KTCのスタンダードタイプニッパー。デザイン性に優れたグリップは、しっかり力を加えても手が痛くなりにくい太めに設計。皮ムキ付きで、配線作業、オーディオ取り付けなどに便利です。
▼KNIPEX 斜ニッパー(SB) 7001-125 【商品ページ】
様々な場面で活躍する汎用性の高い斜ニッパー。高品質な原材料を用いることで、精密な作業を可能にし、ツール寿命も長くなっています。軟線・硬線を精密に切断することができます。入念な焼入れ処理が施された刃の硬度は約HRC62、ヘッド先端は細くなっており、狭い場所での作業も可能です。材質はオイル焼き入れ焼き戻し処理済みのバナジウム電気鋼。
▼TRUSCO JIS強力ニッパ 150mm TBKN150 【商品ページ】
▼LOBTEX マイクロニッパー J100MN 【商品ページ】
小型で計量なので精密機器の組立て作業などの細かな作業に最適。滑りにくく、握りやすい発泡ディッピングを採用しています。精密作業からホビークラフトまでご使用いただけます。
▼BAHCO 強力型 軟・硬線両用ニッパー 2101G-140 【商品ページ】
軟線(銅線・ケーブルなど)の切断は刃先で、硬線(ピアノ線など)の切断はジョイント近くの刃底で切断できます。オン・オフ機能のリターン・スプリングが付いています。エルゴハンドルです。
□ プライヤー
▼KTC コンビネーションプライヤー(ソフトグリップ付) PJ-150 【商品ページ】
KTCの大人気工具コンビネーションプライヤー。デザイン性抜群のソフトグリップ付き。しっかり力を加えても手が痛くなりません。広口に切り替えた時でも、手を挟みにくい安全設計。歯形状は「三段形状」で細かいものから太いものまでをつかみやすくなっています。
▼KTC 強力型ウォーターポンププライヤー WPD1-250 【商品ページ】
しっかり食いつき作業性抜群のKTC強力型ウォーターポンププライヤー。つかみやすく力を加えやすいロンググリップ。高精度でガタの少ない合わせ部の溝は、ヘタリ・スベリが起こりにくくなっています。ジョイント切替部は、サイズ変更の誤作動が起こりにくいよう固めに設定しています。
▼TONE コンビネーションプライヤ CP-150 【商品ページ】
物をつかむ、パイプなどを回す、線を切る作業に使用します。つかむ物の大小によって口の開き方が2段階に変えられます。
▼LOBTEX ネジアンギラス ハイブリッドポンプラタイプ ウォーターポンププライヤー UU4150NA 【商品ページ】
業界初!壊ねじプライヤー(トラスねじプライヤー)機能付きのウォーターポンププライヤー。水道工事用途や自動車整備作業用途に、錆びたネジ、頭つぶれネジをつかんで回せる機能が追加されています。ワイドな口開きで、41mmのナット、φ50mmのパイプにまで使用できる、使い勝手抜群の商品です。
▼KNIPEX コブラ(マチック) ウォーターポンププライヤー 8711-250 【商品ページ】
KNIPEXの“コブラ”は高性能なウォーターポンププライヤーです。アゴの自動調節機能を持つコブラです。上のアゴを対象物にあて、プッシュボタンを押すと下アゴが自動的に閉じます。自動調節スプリングはハンドル内に内臓。プッシュボタンにより、素早く簡単にアゴの幅を細かく調整できます。アゴの開き調整はプッシュボタンにて行うため、作業中は不意に口幅が変わらないので安心です。
□ お買い得セット
▼KTC はさみセット P-3P(PJ-200/PN1-150/PSL-150) 【商品ページ】
KTCのプライヤー、ニッパー、ラジオペンチのお得な3点セットです。人気サイズだけを集めています。
▼TONE プライヤーセット (マスターグリップタイプ) PLG3 【商品ページ】
メカニックエンジニアの声を凝縮し機能を追及した「MASTER GRIP」のセットです。トレーサイズは既存のツールケースに入るサイズです。物をつかむ、パイプなどを回す、線を切る・曲げる・挟む・引っ張る・ねじるなど多くの作業用。
どの握りモノも機械工具メーカーならではのこだわり、そして精度と機能をかね揃えた逸品ばかり。実際の使い勝手はもちろん、観賞用としても十二分に耐えうる本格派の味わいを放っています。
ペンチ・ニッパー・プライヤー。それぞれに種類と特長、用途があってそれぞれにハンドツールならではの硬派な魅力がありますね。
使用頻度の高い握りモノだからこそ、銘柄と品質を自分なりに追求する。かくも奥深きハンドツールの世界です。