私が若いころ、ニルヴァーナに卒倒した時代がありました。世界の音楽シーンではグランジロックというジャンルが中心で、日本のファッション界ではアメカジが流行っていた時代です。そのため、ニルヴァーナのカリスマボーカル、カート・コバーンに憧れ真似た私のファッションは「おしゃれ」とされ、雑誌でも度々特集されていた時代でもありました(私がモテたかどうかは別問題です)。

　ニルヴァーナに限らず、当時はまだ海外のロックスター、ハリウッドスターが「かっこいい」とされていました。もうひとつ上の親世代はその風潮がより濃く、ビートルズやエルビス・プレスリー、ポール・ニューマンなどの大スター、人物以外でもコカ・コーラやマクドナルドといった、欧米から次々と憧憬の的が入ってきた時代ですね。

　一方で、私の息子(17歳)は、外国文化に目もくれず日本のシティーポップを聴いています。「その元ネタはシュガー・ベイブであり、はっぴいえんどであって、私の時代でいうところのサニーデイ・サービスなんだよ」と言いたいけれど、言ってしまうと煙たがられること間違いなし。ましてや、ジャンルが全く違うニルヴァーナの二の字は完全封印しています。

　この話を友人にしたところ「昔の曲も今の曲も一緒に聴いたらええやん、シティポップもニルヴァーナも」と言われたのですが、私はなかなか切り出せません。「古い」「時代が違う」と言われることにビビッているのです。 以前、息子に対して「その服、大きすぎないか」と言ったときに、明らかに不機嫌になりスルーされた時の顔が脳裏に浮かびます。その事件以来、私のデリカシーのなさを反省しつつ、反抗期が終わるまでは息子の趣味嗜好に口を出すのはやめておこうと......チキンハート。

　そして時は2023年。とあるメディアで、アメカジブームが再来するとの記事を見かけました。流行は繰り返す、とは言われますがとうとう私の時代が再来したと胸が躍りました。

　しかし、今の若者はあまり洋楽を聴かないそうです。映画はどうなのでしょうか。ロックスター、ハリウッドスターという言葉も古めかしく、そういえば「カリスマ〇〇」という表現も、もはや古のワードかもしれません。この場合、今回のアメカジブームは誰が牽引するのでしょうか。

　女性であれば韓流スターに憧れ、真似をしている方も多いイメージもありますが、男性は誰に憧れ、目指そうとしているのか想像がつきません。現代であれば、YouTuberの中から出てくる可能性も高そうですね。

　そもそも論で、私の時代のアメリカンカジュアルと、現代のアメリカンカジュアルは違うだろうし、「アメカジ」といっても全くの別物かもしれません。そうなると、私の時代は再来しないではないか......と思った途端、躍った胸がスンとしたのでした(自律神経が乱れているだけ説もあります)。

　ガレージの陰からカート・コバーンがあきれている気がした春の午後。私はデスクの上に置いていたミルウォーキーのインパクトドライバを手にして、モーター音を嗜むのでありました。

※今回の連載から中の人が変わっています

ミルウォーキー
インパクトドライバー M12 FID2-0X JP

ミルウォーキー
インパクトドライバー M12 FID2-0X JP

アメリカの人気ブランド『ミルウォーキー』の、M12シリーズ 充電式インパクトドライバー(本体)です。

POWERSTATE™ ブラシレスモーター採用により、最大170Nmのトルクを発揮。さらに、REDLINKPLUS™インテリジェンスを搭載することで、モーターとバッテリーの使用状況を常にモニタリングしながら、工具とバッテリーの長寿命化とハイパフォーマンスの両立を実現しています。また、セルフタッピングねじモードを備えた4つの回転モードが選択可能に。そして、3つのLEDを搭載し、ワークスペースの視認性も高くなっています。

ミルウォーキーの魅力はバッテリーの互換性だけではありません。収納ケースにおいても、すべてのアイテムに連結可能な「パックアウトシリーズ」という商品展開をしています。それは利便性はもちろんのこと、デザインの統一感にもつながります。そして、統一されたその先にあるのは「これぞアメカジな、かっこいいガレージ」です。

日本国内でも人気が急上昇ながら、人気に追いつかない国内在庫。その雰囲気を味わいたい方は、ぜひ東京と大阪にある直営店でご確認ください！