ドイツ屈指の総合工具メーカー STAHLWILLEの魅力に迫る

世界的に評価が高いブランドにもかかわらず、日本では流通が少なくまだ知名度が低いドイツ屈指の工具メーカー、「STAHLWILLE(スタビレー)」。日本語で発信されている情報も少ないため、どうしても国内での認知が広まりにくいスタビレーですが、一度使い始めると「他のメーカーにはもう戻れない」とプロが絶賛するほど。

そんなスタビレーの魅力をもっと多くの方に知ってもらいたい！という思いを込めて、今回は工具メーカー「スタビレー」の魅力を徹底的に紹介します。

ドイツ屈指の工具メーカー
「STAHLWILLE(スタビレー)」の特徴とは

スタビレーは、1862年に創業したドイツの工具メーカーです。ヨーロッパで初めてトルクレンチを製造したメーカーとしても知られており、近年注目が高まっているトルクコントロール分野の先駆け的存在といえるでしょう。

スパナやトルクレンチ、ラチェットハンドルなど、各種ハンドツールは全てドイツ国内で製造しており、その数はなんと12,000種以上。品質基準に厳しい自動車や航空機分野を中心とした市場から特に評価が高く、たとえばポーランドとハンガリーの9つの空港で航空機のメンテナンスを行っている整備のプロ、LOT AMS（LOT Aircraft Maintenance Services）ともパートナー関係を20年以上築いています。

高価格帯の値段に見合う品質の高さ

スタビレーの商品は、一般的な日本メーカーの製品と比べると、およそ2〜4割ほど高めの価格設定です。それでも愛用者が絶えない理由は、スタビレーの工具が値段以上に高品質で使いやすいから。詳しくは後述しますが、スタビレーは粘り強い「冷間鍛造」の鉄を使用し、人間工学に基づいたデザインを採用することで、安全性が高く扱いやすいハンドツールを製造しています。

また、スタビレーはドイツの公的機関PTBよりISO17025の認定を取得している、数少ないメーカーの一つです。ISO17025とは、試験所や校正機関の正確さを認定するためのマネジメントシステムのこと。つまり、ISO17015を取得していることで、スタビレーは製品（試験成績書・校正証明書）やサービス（試験・校正）に対する世界標準の信頼性も担保しているのです。

TOP100イノベーター・アワードにも選出された実績のある先進性

スタビレーは、2017年にドイツの「TOP100イノベーター・アワード」にも選出されており、革新的な取り組みにも積極的に力を注いでいます。たとえば、スタビレーが近年力を入れている「DAPTIQ」ブランドは、インダストリー 4.0の世界に向けた画期的な製品ラインナップです。

インダストリー4.0とは、ドイツが国家規模で推進している製造業の国家戦略プロジェクトであり、「第四次産業革命」のことを指しています。製造業におけるデジタル技術の活用に重きを置いており、AI（人工知能）やIoT（モノのインターネット）などを駆使して、生産プロセスのさらなる効率化・高品質化を目指しています。

「DAPTIQ」の製品であれば、たとえば「拡張現実（AR）」技術とリンクさせたガイダンス機能を搭載したり、トルク管理のデータをネットワーク上でリアルタイムにシステムと情報共有したり、とデジタル技術と既存の製品技術の融合を果たしています。

スタビレーの製品がプロから選ばれる2つの理由

スタビレーの製品がプロから選ばれるのは、「とにかく頑丈で壊れにくく、使いやすい工具が揃っている」こと。その背景として、以下の２つの理由が主に挙げられます。

• 冷間鍛造の鉄を採用した工具の「粘り強さ・頑丈さ」
• 人間工学に基づいたデザインが実現した「使い勝手のよさ」

[730/5QUICK-JP 日本仕様トルクレンチ (6-50NM)]

「冷間鍛造」の鉄を採用した工具の「粘り強さ・頑丈さ」

スタビレーの製品には、「冷間鍛造」が採用されています。冷間鍛造とは、金属に熱を加えることなく、 常温のまま圧力を加えることで、変形させながら成形していく加工方法です。そのため、フローラインと呼ばれる金属の繊維状の組織が切断されず、粘り強く摩耗しにくい製品が出来上がります。

通常の加工方法で仕上げた工具の場合、力が加わると同時に、折れて破片が散らばるリスクがありますが、スタビレーの製品ならその心配はほぼありません。過度の力がかかっても、折れずに曲がるだけなので、破片による事故のリスクを予防できるのです。

また、曲がってもメッキが剥がれることもほとんどないため、メッキの破片による事故リスクも防ぐことができます。スタビレーは、部品段階でも5万回試験を行うという徹底ぶりで、品質管理を厳重に行っています。 

人間工学に基づいたデザインが実現した「使い勝手のよさ」

スタビレーは、低い締め付けトルクしか必要としないファスナーの締め付けに対応できたり、大きな工具を置くスペースがない場合でも大型トルクレンチの代わりにできたりする、実用的な製品を販売しています。それを実現しているのが、スタビレーが長年研究している人間工学に基づいたデザインです。

スタビレーの製品は、他メーカー製品と比べて、軽量・スリム・コンパクトという強みがあります。たとえば、スパナ一つとってみても、断面を見るとI型構造になっており、軽量化とフィット感のよさ、そして耐久性の高さを全て実現させたデザインになっています。

その高いデザイン性が評価され、スタビレーはドイツデザイン賞やレッドドット賞、Ifデザイン賞などの数々を受賞。直近では、同社のTORSIOTRONIC®電気機械式トルクドライバーが、ドイツのデザイン賞2020を受賞しています。

スタビレーを愛用するプロからの評価

スタビレーの工具を実際に愛用しているプロは、どのようにスタビレー製品を評価しているのでしょうか。

オランダ・バイクショップの技術者へのインタビュー

一例として、オランダで最も人気のあるバイクのカスタムショップ、レンチキングス（Wrench Kings）で働く技術者たちの声を取り上げてみました。

スタビレー公式のYouTube動画のインタビュー内容からスタビレーをおすすめする理由を要約すると、次のような意見でした。※設定で日本語自動翻訳のテロップを入れられます

「私たちは、新車だけではなく中古バイクも扱っているんだ。だから、状況に応じて色んなツールを使い分けなくちゃいけない。スタビレーはとにかく丈夫で壊れにくいのがいいね。しかも、一つのツールで色んな使い方ができるから、生産性が確実に向上したよ。友人にも勧めているけれど、スタビレーは最高だね」

元自動車整備士のDIY製品レビュー

自動車やバスの整備士として働いていた経験のあるYouTuberが、DIYに関する様々なツールをレビューしているYouTubeチャンネル「Tool Teardowns」でも、スタビレー製品が取り上げられていました。

[14/10KT 片目片口スパナセット(ロング) (96401007)]

動画のレビュー内容をまとめると

• 見た目にも美しく、サテン仕上げで扱いやすい。メッキも安定している。
• 他のメーカーよりもスパナの口部の仕上げが丁寧。
• めがねレンチの口部のオフセット角度がちょうどよい。
• かさばらないため、持ち運びに便利。ケースも頑丈で長く使えそう。
• レンチのサイズ表記がややわかりにくい。
• 人によっては長さがやや足りないと感じる可能性がある。

といった内容でした。

また、動画のコメント欄を見てみると、「ドイツ人の私は、スタビレーの工具しか使いません。なくさない限り、使い続けられますから。プロのように使えば、決して壊れたり消耗したりすることもなく、子供たちに受け継ぐことができるのです。確かに、古いシリーズではレンチのサイズはあまりよく見えませんでしたが、現在の製品ではきちんとサイズが刻印されています」

「 スタビレーは、レンチの分野では様々な理由から最高だと思っています。手に持った時の感触やスチールの品質、そして素晴らしい軽さと強さの比率など、今まで使った工具の中でも最も耐久性のあるサテン仕上げは、使い込むほどに良くなります。リングエンドも細くて使いやすい、素晴らしいスパナです」

というように、スタビレーの品質を高く評価するコメントが多数寄せられていました。

世界的な老舗も日本ではまだまだこれから

日本ではまだまだ認知度の低いスタビレーですが、その品質は世界でも認められた確かなもの。一生モノの工具がほしい方にはおすすめしたいメーカーです。

エヒメマシンでは現在、約2,000点ものスタビレー製品を扱っていますが、今後さらに取り扱いを増やしていく予定なので、どうぞお楽しみに！