これから夏が近づくにつれて、遠出のドライブ前に車の整備をしておきたいというお客様が増えていくと見られます。特に、地面と接しているタイヤは摩耗が激しいため、こまめに空気圧をチェックしておかないと車の走行に悪影響を及ぼします。
タイヤの空気圧が適正でないと燃費も悪くなるため、
年間2万円以上も損をしてしまうケースもあるのだとか。
タイヤの空気圧を適切に管理するためには、空気圧を計測するタイヤゲージ(エアゲージ)が欠かせません。
ますます重要性が高まっているタイヤの空気圧管理について、創業から76年もの間、ゲージボタルシリーズを中心に、車の安全走行にかかわる検査・整備機器を提供し続けてきた旭産業株式会社(アサヒ)の石田様にくわしくお話を伺いました。
車があるなら「一家に一台タイヤゲージ」が理想
車があるなら「一家に一台タイヤゲージ」
が理想
車のタイヤの空気圧は、燃費や乗り心地に大きな影響を与えるほか、タイヤへの不要なダメージを予防するためにも適切な管理が欠かせません。
タイヤの空気圧を測定するタイヤゲージには様々な種類がありますが、当社で最も多く取り扱っているのは結果を針で指し示すメーター式タイプです。棒ゲージよりもお値段は高めですが、目盛りが読みやすく見間違いが少ないというメリットがあります。
以前から、長距離を走る大型トラックのドライバーは仕事柄マイゲージを持ち歩いている人が多く見られましたが、最近では一般の方でも自分用のタイヤゲージを用意されるケースが増えていますね。
というのも、車そのものが高精度化しているため、車体の性能を活かした走りを実現するためには、タイヤの空気圧管理もよりシビアに行う必要があるからです。
当社は、商社を通じて東南アジアを中心に海外にもタイヤゲージを輸出しているのですが、海外だと車に必ずタイヤゲージを搭載するよう法律で義務付けられている国もありますね。安全性のためにも、タイヤの空気圧はぜひこまめにチェックして頂きたいです。
一般の方がタイヤゲージを購入する場合は、カー用品店などで商品を探すことが大半でしょう。基本的には値段と精度は比例すると考えて頂いた上で、できる限り専門知識が豊富で信頼できるお店を選んで、予算に合った商品をご購入頂くとよいかと思います。
安価な製品だと、たとえば使い始めは問題なくとも後々耐久性の問題が生じることもあります。精度が落ちてきたときに校正や修理に対応してもらえるのか、それとも使い捨てを前提とした製品なのか、という点を購入前に確認しておくと安心ですね。
カーディーラーや整備工場の方などがプロユースとしてタイヤゲージを購入される場合は、すでに部品商などとの取引があるかと思いますので、その業者の方に詳しく確認してからご購入頂くことになりますね。
タイヤゲージのメンテナンス:日頃の扱いと校正・修理
タイヤゲージのメンテナンス:日頃の扱いと
校正・修理
タイヤゲージは精密機器ですから、使用しているうちに精度が落ちてくることがあります。特に強い衝撃を与えると狂いやすくなるため、できるだけ大切に扱って頂けたらとは思いますね。
とはいえ、毎日何十台と空気圧を測る現場で運用されることを考えると、どうしても扱いが雑になってしまうこともあるでしょう。
私どもアサヒのタイヤゲージの場合は、プロユースとしての耐久性を重視し、ゲージカバーから内部の部品一つ一つに至るまで、衝撃に耐えられるように設計しております。また、品質保証として、どの商品に対しても全数検査を行っておりますので、安心してお使い頂けるかと思います。
目安としては、タイヤゲージを放り投げたり、スパナやペンチなどの工具が落下してきたり、といった状況にならない限り、メンテナンスを行えば5~10年は問題なくお使い頂ける仕様です。
他の工具との衝突リスクを減らせるように、タイヤゲージを吊り下げて保管するためのマグネット式専用ゲージホルダーも用意しておりますので、合わせてご活用頂けたらうれしいですね。
とはいえ、どれだけ品質管理を徹底して出荷しても、使い続けていくうちに精度が落ちていく可能性をゼロにはできません。
そのため、当社としては1~2年に1回は校正に出して頂くことをおすすめしておりますが、現状はまだまだ定着していない状態です。
定期的な校正に出すのが難しい場合、タイヤゲージの精度が問題ないか専用のチェッカーで確認いただければ安心です。当社でいうと、ブリヂストンとの共同開発でタイヤゲージの精度チェッカーを開発・販売しております。自社で精度チェッカーをお持ちでない場合も、ブリヂストンの営業所や支店に備えている事が多いので、点検しやすいのではないかと思います。
タイヤゲージで空気圧を計測してからエアを補充する際の注意点
タイヤゲージで空気圧を計測してからエアを
補充する際の注意点
タイヤゲージで空気圧を測る際には、タイヤの温度をあらかじめ確認しておく必要があります。適正の空気圧はタイヤが冷えた状態が基準です。車を使用した直後に空気圧を測定してエアを充填すると、摩擦熱によって空気圧が上がっているため、適正量との誤差が生じてしまいます。
そのため、タイヤゲージを用いた空気圧の点検は車に乗る前に行うのがベストです。その観点からも一家に一台タイヤゲージがあると、最適なタイミングで点検できるため、非常に便利です。
あとはプロユースの方であれば、エアコンプレッサーの扱いにも注意頂ければと思います。エアコンプレッサーの中には圧縮された空気が入っているため、仕組み上放っておくと必ず水分が発生します。エアコンプレッサーの水分をそのままにしておくと、タイヤゲージにも水分が回ってしまいます。もちろんタイヤの中に水分が入ってしまうのも、ホイールのサビの原因につながりますし、避けたいところです。
そのためエアコンプレッサーは1日1回、その日の作業が終了した後にルーティーンとして水抜きをして頂ければと思います。
タイヤゲージのこれから:アサヒブランドのビジョン
タイヤゲージのこれから:アサヒブランドの
ビジョン
私ども旭産業では、これまで専門メーカーとして徹底した品質管理のもと、カーディーラーや自動車整備工場の皆さま方から信頼頂ける高品質なエアゲージを製造し続けて参りました。
比較的安価な棒ゲージを含めて全商品に対して全数検査を行っているため、トレーサビリティや精度にこだわる顧客からは特に高く評価頂いております。
今後も皆様の信頼にお応えすべく、さらなる高精度・高耐久性にこだわりながら、ゲージボタルをはじめ各商品をブラッシュアップしていきたいと考えております。
その一つとして取り組んでいきたいのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)にも対応した商品の開発です。すでにデジタルに対応した商品は市販品でも多数出ていますが、当社としてはタイヤゲージの専門メーカーだからこそのこだわりを詰め込んだ商品を今後開発していければと考えております。そのために、プロ仕様に耐えうる圧力センサーの選定や実際に使う現場でのデータ処理の問題など様々な課題について現在検討しているところです。
いずれにせよ、皆さまに当社の商品を安心してお使い頂けるように、これからもチャレンジを続けていきたいと思います。
最後に
最後に
エアゲージの目盛り部分に蓄光シートを採用するなど、細部にまで気を配った旭産業株式会社(アサヒ)の「ゲージボタル」は、その使い勝手のよさがプロから高く評価されているシリーズです。
創業から専門メーカーとしてのこだわりを持って、精度・品質の向上を実直に続けている同社の今後の商品展開が楽しみです。
車の高精度化が進んだ現在、エアゲージはプロだけではなく、一般家庭でも1家に1台あると便利なアイテムになりました。アサヒの製品は、記事内で紹介した精度チェックへの取り組みのほか、定期的な校正にも丁寧に対応してもらえるため、一度購入すれば5~10年目安で使い続けることができます。
車の燃費や走行性能を大きく左右する空気圧管理を小まめに行うために、エアゲージはぜひ高品質で高精度な製品を用意しておきたいもの。この機会にぜひ、アサヒのエアゲージを試してみてくださいね。
取材協力先:旭産業株式会社
1946年の創業以来、タイヤの空気圧管理を中心とした、安全走行にかかわる検査・整備機器を規格製造し続ける東京都内のエアゲージ専門メーカー。代表製品「ゲージボタル」シリーズのほか、高精度・高品質な製品を国内のみならずアジア各国にも提供し続けている。
公式ホームページ:https://www.air-asahi.com/
取材協力先:旭産業株式会社
1946年の創業以来、タイヤの空気圧管理を中心とした、安全走行にかかわる検査・整備機器を規格製造し続ける東京都内のエアゲージ専門メーカー。代表製品「ゲージボタル」シリーズのほか、高精度・高品質な製品を国内のみならずアジア各国にも提供し続けている。
公式ホームページ:https://www.air-asahi.com/